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日本の会社員に副業が必要な「本当の理由」

日本の会社員に副業が必要な「本当の理由」

あなたは「副業」が出世するために必要な経験だとしたら、やってみたいですか??

そして、やるなら、どんな副業を選びますか?副業とは、本業以外で収入を得る、仕事などの行為を指します。

例えば、会社員が休日に飲食店でアルバイトをすれば
「副業している」ことになります。

あるいは、ネットショップを開店して自分が制作した絵画を販売するのも副業です。

マンションの部屋を貸して家賃収入を得たりするのも、
広義には副業と言えます。

別の言い方でサイドビジネス、デュアルワーク、兼業とも。「ムーンライター(moon lighter)」と呼ばれることもあります。

昼間に従事している本業が終了した後に、月明かりの下で働く姿をイメージしての呼び名。そこからは、副業はハードなものというイメージも伝わってきます。

例えば、取材したSさんはアパレル企業に勤務する販売員。週5日勤務で、シフトによりますが遅いと21時くらいまで店舗で接客をしています。それから、帰宅して休むかといえば、違います。

居酒屋の人気メニューを紹介する記事を書いて、通販会社に入稿するのが日課。この記事を書くことで月に5~7万円を稼いでいるとのこと。

その収入は趣味の釣りをする財源になっており、その副業は生活上でなくてはならないものになっているようです。ただ、副業をしていることを本業の職場でばれないように、趣味の話題は避けるなど、相当に気を配っています。

もし、ばれたら、「副業をするなんて、本業で手を抜いているに違いない」と社内でマイナス評価につながる可能性があると感じているからです。

以前、飲食店でアルバイトしていることがばれた同僚は、社内で相当に厳しい言葉を投げかけられ、退職に追い込まれました。「副業をやっているから、シフトで自分勝手なことばかり要求するのだ」と店内で叱責されたといいます。

本業を辞めたくない、ただ、副業をすることが道義的に許されない職場で働くのは難しい……と決断するしかなかったのです。

周囲で副業について意見を聞いてみると、若手は副業を容認する傾向が感じられますが、管理職クラスになると道義的にダメではないかと、否定的な見解の人が大半でした。

会社に対するロイヤルティが役割の高さとともに高まり、個人というより会社目線で考えるのかもしれません。中小企業庁の調査によると、副業を容認している会社はわずか3.8%。

さらに就業規則で「就業時間外に副業を行なう場合は、事前に会社に届け出が必要」と事前承認を前提にするか、事実上禁止しているケースが相当に多いのが実情のようです。

では、一般の社員たちはそれで副業をあきらめるかというと、そうでもないようです。

副業に73%が「賛成」、27%が「反対」

副業促進に関する意識調査(株式会社もしもによる調査)で「現在、企業や政府による『副業促進』の動きが高まています。

この動きに対して、あなたの意見は賛成ですか? 反対ですか?」と質問したところ、73%が「賛成」、27%が「反対」と回答。

では、賛成派は副業をどのように捉えているのでしょうか?筆者が取材していくと副業の目的は大きく二つに分かれているようでした。

まず副業を「稼ぐ手段と考える」人たち。年収ベースで考えれば1社で十分な給料が得られない。

あるいは、趣味などやりたいことに充てるおカネが欲しいという発想で副業をする人です。派遣社員においては、副業経験は増えているようです。エン派遣の調査では、派遣社員で副業の経験者は57%と過去最高ともなっています。

筆者が知る範囲でも、休日や平日の夜を活用したアルバイト、自宅で作業するライティング業務(記事の入稿など)やネットショップの開設。

さらに

・お手軽な業務:アンケート調査、交通量調査、サイトのバグ探し
・能力を活かす:ライター、グラフィックデザイン、アプリ開発、翻訳

など、ある程度稼げそうな副業はいくつも存在しています。そして、もう1つが副業をキャリア開発の機会と考える人たちです。この目的は、働き方改革でも注目されている領域です。

対象となるのは大企業の人材で、副業で稼ぐというより、仕事上のスキルや働く意欲を高めたい人たち。これを、会社も社員も促進していこうとする機運が高まりつつあります。なぜなら、仕事に対して必ずしも意欲的になれない環境の社員が多数存在しているから。

こうした状態になるのは

・社内失業状態にある(適切な仕事がみつからない)
・マンネリ感のある仕事しかない

社員が存在しているからと思われます。

大企業ならでは……の問題ともいえますが、例えば、エンジニアとして優秀な人材であるが、社内に適したプロジェクトがない。

あるいは事業開発が得意だが、現状で該当部署への異動はできない、と適材適所が実現できない。こういったことは非常に多いです。人材採用は緻密な将来予測に基づいて行われるわけではありません。

「景気がいいから多めに営業職を採用しておこう」などと、目先の人材需要を充足させることが優先されて、
その人材が将来的にミスマッチ、あるいは余剰になってしまうことがあるのです。

ただ、その人たちをリストラするほど会社の業績が悪化していないかぎり、上記のような社内失業やマンネリ感のある仕事しかないという社員が発生してしまうことになります。

こうした状態を打破するため、副業が容認されたのではないか、と見ています。

副業の考え方。社内では機会がないが…副業なら。

取材してみると、こうしたキャリア開発を目的とした副業には、NPO法人の立ち上げ、ベンチャー企業のマーケティング支援、経営コンサルティング、研修講師などさまざまなものがあります。

社内では、やる機会がないが、自らチャレンジしたくなりそうなものも多くあります。こうした副業を通じて得た経験や人脈が本業で活かされることを期待しているのは、社員だけではないでしょう。

実際、最近では日産、富士通、花王など副業を認める大企業が徐々に増えてきました。大企業で副業機会を生かしているケースとして注目度が高いのがロート製薬の「社外チャレンジワーク制度」ではないでしょうか。

薬剤師の有資格者がドラッグストアで店員として働くほか、地ビールの製造・販売をする会社を設立するなど、社外で多様な経験を積んでいる社員が出ているとのこと。

こういった経験が新しい発想を生み出し、行動力のある社員を育てると考えて推奨しているようです。

さて、日本政府は、会社員が副業をしやすくするための環境整備を進める方針を打ち出す予定。大企業が優秀な人材を抱え込みすぎているとの認識から、就業規則を見直すときに必要な仕組みなどを盛り込んだガイドライン(指針)を策定し、企業の意識改革を促すようです。

あと5年も経つと副業経験が社内でのキャリアアップの
前提条件となる会社も登場するかもしれません。

みなさんであれば、どのような仕事をしてみたいでしょうか。ぜひ一度考えてみてください。

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