コールセンターでの電話の切り方!電話の切り方は好印象を残しつつ業務効率も高めるテクニック
コールセンター業務では、電話の「受け方」だけでなく「切り方」も顧客満足度やブランドイメージを左右する重要なポイントです。
とくにクレーム対応や長時間の問い合わせのあとに、適切な言葉選びや間の取り方を誤ると、顧客に
「冷たい」
「機械的」
という印象を持たれてしまうリスクがあります。
一方で、上手に電話を切ることで
「最後まで丁寧だった」
「また何かあればここに連絡しよう」
という高い評価を得ることも可能です。
ここでは、コールセンターにおける電話の切り方について、なぜ重要なのか、どういった流れやフレーズが望ましいのか、注意点や改善のためのヒントを総合的に解説します。

なぜ「電話の切り方」がコールセンターで重視されるのか

顧客の印象を最後に決定づけるから
どんなに丁寧な案内や問題解決を行ったとしても、電話を切るときの言葉選びや態度によって、顧客の最終的な印象が大きく変わることがあります。
特にクレーム対応後の一言や、冷たいテンションで終わらせる態度は、せっかく解消しかけた不満を再燃させかねません。
逆に、適切なフレーズや声のトーンで終われば
「この企業は最後までちゃんとしている」
と思われ、顧客満足度の向上につながります。
クレーム拡大や再問い合わせを防ぐ
問題が解決したはずなのに、最後の態度や説明不足によって顧客に疑問を残してしまうと、後から再問い合わせが入ったりクレームがエスカレートしたりする恐れがあります。
電話を切る前にしっかりと
「これでよろしいでしょうか」
と確認したり、
「今後の流れはこうなります」
という説明を加えることで、追加のトラブルを防ぎやすくなります。
業務効率とCSを両立する面でも鍵になる
通話をだらだらと続けるとAHT(平均処理時間)が延びてしまいますが、極端に早く切ろうとすれば顧客に
「素っ気ない」
「聞く耳を持っていない」
と感じられるかもしれません。
適切なタイミングとフレーズで通話を締めくくる技術があれば、顧客満足度を維持しつつ通話時間をほどよくコントロールできるため、業務効率にも好影響をもたらします。
コールセンターで理想とされる電話を切る流れ

要件の再確認
会話の終盤に
「本日のご要件は以上でよろしかったでしょうか?」
と尋ね、顧客が話し忘れた点や追加で聞きたい内容がないか確認します。
これを省くと、顧客が電話終了後に
「あれも聞けばよかった」
となり、再度の問い合わせが発生してしまう可能性があるため重要なステップです。
謝辞またはお礼
顧客が問い合わせや要望を伝えるために時間を割いたことに対して
「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました」
など、一言お礼を入れると好印象です。
クレーム対応の場合でも
「ご不便をおかけし、申し訳ございませんでした。詳細をお聞かせいただきありがとうございます」
という姿勢を示せば、相手が納得しやすくなります。
次の行動やフォローアップを明確にする
「明日の◯時までに担当部署から折り返しご連絡いたします」
「本日中にメールで詳細をご案内いたします」
といった具合に、今後の行動を具体的に伝えると安心感が増します。
相手が「具体的な手順」や「完了までの流れ」を把握できるようにするのが理想です。
電話終了の許可を得る(または自然に締める)
「それでは、本日は以上でよろしいでしょうか?」
「ほかにご不明点はございませんか?」
など、顧客の意向を確認したうえで
「かしこまりました。ありがとうございました。失礼いたします」
と続けると、自然に通話を終えられます。
相手が納得しているかどうかを見極めるためにも一言確認する習慣が役立ちます。
コールセンターで電話を切るときに活用できるフレーズ・言い回しの例

クレーム対応後に安心を与えるフレーズ
「本日はご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。早急に対処させていただきますので、しばらくお時間をいただけますでしょうか。改めてご連絡を差し上げますが、本日のところは以上でよろしいでしょうか?」
追加質問の有無を確認するフレーズ
「ほかにご質問やご不明点はございませんか?もし何かございましたら、いつでもお気軽にお電話くださいませ。ありがとうございました。失礼いたします。」
連絡手段や今後のフォローを案内するフレーズ
「メールアドレスをご登録いただいておりますので、本日中にそちらへご案内をお送りいたしますね。また、念のためにお電話でも折り返しご連絡いたします。本日はありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。」
コールセンターで電話の切り方で起こりがちなミスと対処法

急に話を打ち切ってしまう
オペレーターの立場でAHT(平均処理時間)を短くしようと焦ると、まだ顧客が話し終わっていないのに
「では、失礼いたします」
と切り上げるケースがあります。
顧客への印象が悪化するリスクが高いので、必ず
「ほかにございませんでしょうか?」
と一言を入れてから通話終了へ進む習慣を持ちましょう。
黙って切ってしまう
ごく稀ですが、クレーム対応で感情的になった相手に対して、一方的に電話を終了してしまう例もあります。
これは企業全体の信用問題につながる大きなミスです。
定期的なメンタルケアやSV(スーパーバイザー)へのエスカレーションルールを徹底し、オペレーターが一人で抱え込まない体制を作ることが重要です。
うっかり無言の間が長すぎる
「切り方」を意識するあまり、相手の反応を待つ時間を長く取りすぎると、顧客は
「まだ何か言いたいのかな?」
と困惑する可能性があります。
必要な間は確保しつつも、過度に沈黙が続かないようにバランスを意識し、自然な会話の終わり方を練習することが大切です。
コールセンターで電話を切る方法を改善するためのアプローチ

ロールプレイとモニタリング
電話の最後のフレーズや声のトーンを含めてロールプレイすることで、スタッフ同士がフィードバックし合えます。
実際の通話録音(モニタリング)を振り返って客観視する習慣を作ると、思わぬ「ぶっきらぼうさ」に気づけるかもしれません。
明確なガイドラインや事例集の作成
クレーム対応の場合、長時間かかった問い合わせの場合などシチュエーションごとに
「こう締めるとスムーズ」
という成功事例をマニュアル化しておくと、オペレーターが迷わずに済みます。
実際の「良い例・悪い例」の録音を参考にするとイメージしやすいです。
KPIを過度に追いすぎない
AHT短縮をあまりに強調すると、オペレーターが早く電話を切ることを優先してしまいがちです。
CSAT(顧客満足度)やFCR(一次解決率)とのバランスを考慮し、電話を切るタイミングやフレーズにも配慮する評価制度を取り入れると、スタッフが品質を重視しやすくなります。
【まとめ】電話の切り方を丁寧にすればコールセンターの印象が大きく変わる
コールセンターでの電話応対は、受け方だけではなく切り方を含めた最後の数秒が顧客の印象を大きく左右します。
クレーム対応や長時間の問い合わせであっても、丁寧に言葉をかけて要件を確認し、今後の行動を明確にしたうえでお礼や謝罪を伝えることで、顧客は
「最後までしっかり向き合ってくれた」
と感じやすくなります。
反対に急に通話を打ち切る、雑なフレーズで終わらせるなどの行為は、折角の解決や関係修復を台無しにしてしまう恐れがあります。
ロールプレイやモニタリングを活用し、フレーズや声のトーンを磨きながら、スタッフ全員が一定以上の品質を保てる体制を作ることが理想的です。
最後まで丁寧に対応する姿勢が、顧客満足度やブランドイメージを高め、コールセンターの価値を最大限に引き出す鍵となるでしょう。
