1,000円のラーメン屋と2,000円のファミレス、どちらが儲かるのか?
近年、飲食業界に興味を持つ若い世代や新しいビジネスを始めようとする人が増えています。
その中で、ラーメン店やファミリーレストラン(ファミレス)は、特に人気の選択肢です。
しかし、1,000円のラーメン屋と2,000円のファミレスでは、どちらがより儲かるのか気になるところです。
今回は、それぞれのビジネスモデルと利益構造を深掘りして、どちらがより成功しやすいかを分析していきます。
1,000円のラーメン屋のビジネスモデル
ラーメン1杯の原価と利益率
ラーメン店の最大の魅力は、そのシンプルなビジネスモデルと高い利益率です。
一般的に、ラーメン1杯の原価率は約30~38%とされています。
参考:ラーメン屋って儲かるの?経営者の年収はどれくらい?
https://j-mikata.com/contents/kaigyou-dokuritsu/1607
例えば、1,000円のラーメンを提供する場合、原材料費はおよそ300円程度に抑えられます。
残りの700円が粗利となり、そこから人件費や光熱費、家賃などの固定費を引いて利益を出す仕組みです。
回転率の高さが強み
ラーメン店のもう一つの特徴は高い回転率です。
ラーメンは比較的調理時間が短く、注文から提供までのスピードも早いため、1日に多くの顧客を捌くことができます。
例えば、1日の目標売上杯数を160杯と設定した場合、売上は160,,000円となります。
これにより、効率よく利益を上げやすい業態といえます。
参考:ラーメン屋はなぜ儲かる?「売上・利益率・経費」を成功してる私が暴露
https://ramen-daisenso.com/kaigyo/genka_rieki.html
ラーメン業界の課題:「1,000円の壁」
しかし、ラーメン店には大きな課題があります。
それは「1,000円の壁」です。
多くの消費者は、ラーメンに対して1,000円以上払うことに抵抗を感じる傾向があります。
このため、値上げが難しく、価格を上げすぎると顧客が減少するリスクが伴います。
参考:ラーメン店の前にそびえ立つ1,000円の壁を超える方法とシミュレーション
(https://pos-cube.com/inshoku-keiei/trend/ramen1000yen-restaurant/)
一方で、原材料費や光熱費の高騰により、利益を維持するのも難しくなってきています。
2,000円のファミレスのビジネスモデル
ファミレスの特徴:客単価が高い
ファミリーレストラン(ファミレス)は、一般的に1人あたり2,000円程度の客単価が期待できる業態です。
ラーメン店と比較して、ファミレスは広範なメニューを提供しており、家族連れやグループ客が多く、一度に高額な売上が見込めます。
例えば、3~4人の家族が来店すれば、1回の会計で6,000円から8,000円の売上が期待できます。
運営コストの高さが課題
ただし、ファミレスはラーメン店と比較して運営コストが高い傾向にあります。
店舗が広いため、家賃や光熱費が増加しますし、メニューの種類が多いため調理に手間がかかり、人件費も多く必要です
例えば、アルバイトや社員を多く雇う必要があり、人件費が売上の大きな割合を占めることがあります。
回転率が低いことが課題
ファミレスは家族連れやグループ客がメインのターゲットであるため、滞在時間が長くなりがちです。
このため、1日に多くの顧客を捌くことが難しく、結果として回転率が低くなります。
ラーメン店ほどの速いペースで顧客を回すことができないため、利益率が下がりやすくなります。
どちらが儲かるか?
短期的にはラーメン店が有利
短期的な視点で見れば、ラーメン店は利益を出しやすいと言えます。
理由は、回転率が高く、少人数で運営可能だからです。
例えば、セルフサービスや食券機の導入により、1人当たりの人件費を抑えつつ、1日あたりの売上を確保しやすいのです。
ラーメン1杯あたりの原価率が低いため、売上がそれほど高くなくても十分な利益を上げることが可能です。
長期的にはファミレスも安定的な収益を見込める
一方で、長期的な視点では、ファミレスは安定した収益を得やすい業態と言えます。
理由は、家族やグループでの来店が多く、一度の売上が大きいためです。
たとえ回転率が低くても、1組の客から得られる売上が大きいため、売上の波が少なく、安定した収益が期待できます。
【まとめ】1,000円のラーメン屋と2,000円のファミレス、どちらが儲かるのか?
最終的には、どちらが儲かるかは運営方法に依存します。
ラーメン店は高回転率と低原価で、短期間での利益獲得がしやすい反面、価格設定に慎重になる必要があります。
一方、ファミレスは広い客層に対して高単価で安定した売上を見込めますが、運営コストが高いため、効率的な経営が求められます。
どちらのビジネスモデルも魅力的ですが、運営者としての工夫やターゲット顧客へのアプローチが、成功の鍵を握ることは間違いありません。