コールセンターの暴言は我慢しない|カスハラ対策の義務化と警察相談

コールセンターの暴言は我慢しない|カスハラ対策の義務化と警察相談
コールセンターの暴言は我慢しない|カスハラ対策の義務化と警察相談「顧客から暴言を受けたとき、耐えるしかないの?」
「暴言がひどい場合、警察に相談してもいいの?」
「会社は、何をしてくれるのだろう?」
コールセンターで働いていると、顧客から理不尽な暴言を浴びせられる場面に出くわすことがあります。
そのたびに、これも仕事のうちなのだと自分に言い聞かせ、じっと我慢してきた方もいるかもしれません。
しかし、ここではっきりお伝えしたいのは、暴言に耐えることは仕事ではなく、企業が対策を講じるべき問題だという点です。
この記事では、暴言をめぐる法改正の動きから、現場での対応の仕方、警察への相談の考え方、受けた人のケアまでを解説します。
なお、個別の言動が法的にどう評価されるかは、個々の事情によって変わるため、判断に迷う場合は警察や弁護士などの専門家にご相談ください。
コールセンターの暴言は我慢するものではない
コールセンターの暴言は我慢するものではないまずは、顧客からの暴言をどう捉えるべきかという、前提を確認しましょう。
コールセンターの暴言はカスハラにあたる
顧客からの理不尽な言動は、近年、カスタマーハラスメントと呼ばれるようになりました。
国が示した定義では、顧客等の言動であって、業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの、とされています。
そのうえで、それによって働く人の就業環境が害されるものが、カスハラにあたると整理されています。
具体的な行為としては、暴行や脅迫のほか、ひどい暴言、著しく不当な要求などが挙げられています。
つまり、人格を否定するような暴言は、正当な意見ではなく、企業が対策すべき問題だということです。
区別を知ることが、コールセンターの暴言に向き合う第一歩です。
正当な要望と暴言というコールセンターの線引き
もちろん、顧客からの厳しい声のすべてが、カスハラにあたるわけではありません。
たとえば、商品の不具合を指摘する声や、こちらの対応の不備への叱責は、改善につながる大切な意見です。
一方で、たとえ要求の内容そのものが正当であっても、それを伝える手段が行きすぎていれば問題になります。
たとえば、長時間にわたって責め続ける、人格そのものを否定する、といった言動がこれにあたります。
つまり、要求の中身と、伝え方の手段は、分けて考える必要があるということです。
線引きを知ることが、暴言とクレームを見分けるコールセンターの視点になります。
コールセンターのカスハラ対策は義務になる
コールセンターのカスハラ対策は義務になる続いて、企業に求められる対応が、いま大きく変わりつつあることを押さえておきましょう。
暴言への対策が事業主の義務になるという法改正
近年の法改正により、カスハラへの対策は、事業主が果たすべき義務として位置づけられました。
具体的には、改正された労働施策総合推進法が、2026年10月1日から施行されると案内されています。
これにより、これまでのパワハラやセクハラの対策と同じように、企業が必要な措置を講じる責任を負うことになります。
義務の対象は事業主とされているため、企業の規模を問わず、幅広く対応が求められるとされています。
なお、詳しい内容は国の指針で示されているため、実際の対応にあたっては公的な資料や専門家に確認してください。
義務になると知ることが、コールセンターの暴言対策をめぐる前提です。
企業が講じるべきコールセンターのカスハラ対策
それでは、具体的に企業には何が求められるのでしょうか。
一般に挙げられるのが、まず対応の方針を明確にして、働く人へ周知していくということです。
あわせて、相談に応じるための体制を整え、働く人がいつでも使える状態にしておくことが求められます。
さらに、実際に被害が起きてしまったときには、迅速かつ適切に対応する必要があります。
そして、相談したことを理由にして、その人に不利益な扱いをすることも認められていません。
体制を整えることが、暴言から働く人を守る企業の責任になります。
| 企業に求められる対応 | 内容 |
|---|---|
| 方針の明確化 | カスハラへの対応の方針を定め、働く人へ周知する |
| 相談の体制 | 相談の窓口を設け、いつでも使える状態にする |
| 事後の対応 | 被害が起きたときは、迅速かつ適切に対応する |
| 不利益の禁止 | 相談を理由に不利益な扱いをしない |
暴言を受けたときのコールセンターの対応
暴言を受けたときのコールセンターの対応ここからは、実際に暴言を受けてしまった場面での対応を見ていきます。
毅然と伝えるというコールセンターの暴言への対応
暴言が続く場合には、その応対をそのまま続ける必要はありません。
まずは、そのような発言が続く場合は通話を終了させていただきます、と相手に伝えます。
このとき大切なのは、こちらが感情的になることなく、あくまで毅然とした態度で伝えることです。
なぜなら、こちらが動揺してしまえば、相手の言動をかえって強めてしまう場合があるからです。
そのうえで、それでも改善が見られなければ、職場で決められた手順に沿って通話を終えて構いません。
毅然と伝えることが、コールセンターで暴言に向き合う対応です。
引き継ぐという暴言への対応の判断
そしてもう一つ大切なのが、自分だけで抱え込まないということです。
対応が難しいと感じた時点で、ためらうことなくSVや管理者へ引き継ぎましょう。
どの時点で引き継ぐのかという基準は、本来あらかじめ職場で定めておくべきものです。
なぜなら、その判断を個人に委ねてしまえば、結果として我慢を強いることになってしまうからです。
その際、通話の録音が残っていれば、管理者がそれまでの経緯を正確に把握する助けになります。
引き継ぐことが、暴言からオペレーターを守る仕組みになります。
コールセンターの暴言と警察への相談
コールセンターの暴言と警察への相談続いて、社外への相談という選択肢についても考えていきます。
警察への相談も検討するという暴言への対応
暴言のなかには、明らかに度を超えてしまっているものもあります。
たとえば、こちらの生命や身体への危害を示唆するような発言が含まれている場合です。
そうした場面では、社内だけで抱え込まず、警察へ相談することも検討すべきだとされています。
実際に、企業が講じるべき対応の例としても、警察への通報が挙げられることがあります。
つまり、警察に相談するということは、決して大げさな行為ではないということです。
相談を検討することが、悪質な暴言に対するコールセンターの備えです。
記録を残すという警察に相談する際の準備
相談する際に欠かせないのが、事実を客観的に示す記録です。
いつ、どのような言動があったのかを、日時や回数とあわせて、できるだけ具体的に残しておきましょう。
通話を録音している窓口であれば、その音声のデータを特別に保管しておくことも考えられます。
なお、個別の言動が法的にどう評価されるのかについては、状況によって大きく変わります。
そのため、対応の判断に迷ってしまう場合には、警察や弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
記録を残すことが、暴言への対応を支える客観的な材料になります。
| 暴言を受けたときの流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 毅然と伝える | 暴言が続く場合は終了する旨を、感情的にならず伝える |
| 2. 引き継ぐ | 職場の基準に沿って、SVや管理者へ引き継ぐ |
| 3. 記録する | 日時と実際の言動を、具体的に記録として残す |
| 4. 相談する | 悪質な場合は、警察への相談も検討する |
暴言を受けた人へのケア
暴言を受けた人へのケアここでは最も大切な、暴言を受けた人自身のことを考えます。
暴言はコールセンターで働く人の心を傷つける
理不尽な暴言を浴びせられれば、心が消耗してしまうのは、まったく当たり前のことです。
各種の調査でも、カスハラの被害があった職場では、休職や離職が実際に起きていることが示されています。
つまり、あなたが傷ついてしまったのは、決して弱いからでも、この仕事に向いていないからでもありません。
自分の対応が悪かったのだろうかと、どうか必要以上に自分を責めないでください。
そして、眠れない、涙が出る、動悸が続くといった状態があるなら、まずは医療機関に相談してください。
自分を責めないことが、暴言を受けたときに最も大切なことです。
相談するというコールセンターの暴言への向き合い方
そうしたつらい経験を、一人で抱え込む必要はまったくありません。
まずは、SVや管理者に対して、何があったのかを言葉にして伝えてみましょう。
また、社内に相談の窓口が設けられているなら、そちらを利用することもできます。
そのほか、産業医や公的な労働相談の窓口といった、外部の支援を頼ることも立派な選択肢です。
繰り返しになりますが、理不尽な暴言に耐えることは、決してあなたの仕事ではありません。
相談することが、暴言から自分を守るための行動になります。
コールセンターが暴言に備えるために
コールセンターが暴言に備えるために最後に、職場としてあらかじめ備えておきたいことを整理します。
基準を共有するというコールセンターの暴言への備え
備えの土台となるのが、対応の基準をあらかじめ職場全体で共有しておくことです。
どのような言動があれば通話を終えてよいのか、誰に引き継ぐのかを、明文化しておきましょう。
基準さえあれば、担当した人が、自分の判断について後から責められることもなくなります。
反対に、基準がないまま個人に任せてしまえば、我慢だけが続き、やがて離職につながってしまいます。
そして、管理者が現場を守るという姿勢を示すこと自体が、働く人の安心につながっていきます。
共有することが、暴言に備えるコールセンターの姿勢です。
研修と個人情報への配慮という暴言への対策
もう一つ有効なのが、研修のなかで実際の事例を扱っておくということです。
なぜなら、何の心構えもないまま初めて暴言を受けたときに、動揺してしまうのは当然のことだからです。
こういう場面ではこのように対応してよい、と事前に知っているだけでも、心の負担はずいぶん軽くなります。
また、応対する人が個人を特定されてしまわないよう、名乗り方そのものを工夫する企業もあります。
こうした積み重ねが、誰もが安心して働ける窓口をつくっていきます。
備えることが、コールセンターの暴言対策を根づかせる方法になります。
コールセンターの暴言に関するよくある質問
コールセンターの暴言に関するよくある質問コールセンターの暴言は我慢するしかないですか?
いいえ、理不尽な暴言に耐えることは仕事ではありません。
いまは企業が対策を講じるべき問題として位置づけられています。
カスハラの対策はいつから企業の義務になりますか?
改正された労働施策総合推進法が、2026年10月1日から施行されると案内されています。
詳細は公的な資料や専門家にご確認ください。
コールセンターの暴言と正当なクレームの違いは?
要求の中身と、それを伝える手段とを分けて考えます。
たとえ内容が正当でも、人格の否定は行きすぎた言動です。
暴言が続くとき、通話を切ってもよいですか?
終了する旨を毅然と伝えたうえで、基準に沿って終えて構いません。
判断を個人に委ねないよう、基準を定めておきましょう。
コールセンターの暴言は警察に相談できますか?
危害を示唆するような言動であれば、相談の検討が挙げられています。
評価は状況で変わるため、警察や弁護士にご相談ください。
暴言を受けてつらいときはどうすればよいですか?
どうか一人で抱えず、SVや相談の窓口に伝えてください。
眠れないなどの不調が続くなら、医療機関への相談を優先しましょう。
暴言に備えて職場でできる対策はありますか?
終話や引き継ぎの基準を明文化し、職場で共有することです。
あらかじめ研修で事例を扱っておけば、動揺も小さくできます。
まとめ:コールセンターの暴言は組織で対処する問題
まとめ:コールセンターの暴言は組織で対処する問題コールセンターで受ける理不尽な暴言は、決して我慢すべきものではなく、企業が対策を講じるべき問題です。
実際に、カスハラへの対策は、法改正によって事業主の義務と位置づけられ、2026年10月1日から施行されると案内されています。
そのため現場では、終了する旨を毅然と伝え、基準に沿って引き継ぎ、事実を記録として残しておきましょう。
そして、危害を示唆するような悪質な言動があれば警察への相談も検討し、つらさが続くときは一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してください。
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