【大重食堂】博多に吹くニューウエーブのラーメン。アツイ風は、サイフォンから昇り立つ湯気
【大重食堂】博多に吹くニューウエーブのラーメン。この大重食堂は先日TVで紹介していた、利益率の高いラーメン屋。「がっちりマンデー」でも取材されていますね。
全国ネットの番組で紹介されていたし、てっきり関東の店かと思ったのですが。なぜなら、ダシガラを極小化してゴミを出さない工夫の果てに開発した手法というのですから。こういうのって、人口密度の高い都会にありがちなアイディアですからね。寸胴で大量のスープを作る従来のやり方では、大量のダシガラが出て捨てるのが大変。都内にある某とんこつ系有名店では、やはりスープをとったあとの豚骨匂いがどうしても強くて近隣のクレームが出て、専用の廃棄業者に委託している・・・なんて話を聞きますからね。コストは馬鹿になりません。ほんとにそれで利益が出るのかい?って思っちゃう。
このお店のウリは、サイフォンを使って出汁をとる、斬新な手法。サイフォンを使えば短時間で効率よく一杯分の出しが取れ、香りも上々。
それはそうですね。サイフォンがそもそも使われるのは、コーヒー。香りがキモです。変な匂いが移ったり、香りが逃げたりしないように設計してありますから、雑臭、雑味はとことん排除できます。しかも1杯ずつ無駄なくスープが作れ、大量生産にありがちな味のむらもありません。大汗かいてスープかき混ぜる労力も省けるて人件費も抑えることができます。しかも、一杯ずつ沸騰させるから、アツアツでお客様に提供できますね。
先日故郷の博多に帰省したとき、同級生が教えてくれました。実は闘病生活の家族の見舞いという、暗い気分の旅立ったのですが。優しい友人が、私のラーメン好きを知ってる優しい友人が、病院近くのうまい店をわざわざ連絡してくれたのです。その名も「大重食堂」。「その店なら、TVで見たことある!」なんたる奇遇。行かない手はありません。
大重食堂に向かってみた。最寄り駅は福岡地下鉄、七隈線の薬院大通り駅
最寄駅は福岡地下鉄、七隈線の薬院大通り駅。ここから大正通りを歩きます。かの有名な天神から行くなら、地下鉄が一番わかりやすいです。
薬院六角にあるスーパー「ボンラパス」を右手に見るように進みます。ボンラパスは九州で展開する、高級スーパー。ちょっと変わった輸入品が買えたりします。近辺は、高級料亭から超庶民的な焼き鳥屋までが雑然と揃う地帯ですが、なにげに大きめの住宅とかもあって、静けさも併せ持つ不思議な地帯。
自動販売機が目印。小道を右折すると、すぐに看板です。秋本病院の手前で曲がります。
ちなみに、西鉄バス「薬院2丁目」が最寄りで、「薬院大通り」バス停も、地下鉄出口より店に近いです。
【大重食堂】「ラーメンが好きだ」の看板。いいですね。愛があります。大重食堂はわかりやすい。
12時開店の、10分前から待ち構えました。
いよいよ開店です。TVに出た直後は、行列で大変だったようですが、最近は落ち着いたみたいです。あっさりと入店。店内はテーブル2席、カウンター5人掛けといったところでしょうか。ほどほどに客が入ってきます。
最初に目に付く時計とポスター。
そしてカウンターに話題のサイフォンがドーン!知らなきゃ、ラーメン作るようには見えませんね。ズラーっと並んで、光ってて、綺麗です。
振り向くと、レトロでイロッポい女優さん達のポスターが、バーン!!シュミーズ姿で豊満な胸元見せる女優に釘付け・・・・いやいや、ラーメンを食いに来たのだ。雑念退散!!!喝!なんだか、独特の雰囲気。
それもそのはず。大重食堂は、ラーメン専門店ではありません。そもそもはメニュー豊富な居酒屋です。夜な夜な昭和を懐かしむ客も多いかと。
大重食堂のメニューとご対面。なんとアルコールもたくさん!さすが大重食堂
小生の友人のイチ押し人気メニューは「チャーシュー盛り」。ラーメンのメニューはデフォルトで1種類だけ。このラーメンが全国区の話題になるから、不思議ですね。季節限定で、つけ麺を出すこともあるとか。
ここは男らしく、初心貫徹「ラーメンください」。この店に食券はありません。カウンター中の若い兄ちゃん二人に発注します。確かに、二人で回せば、人件費も知れてる。
ボコボコとサイフォン上部から魚介香るスープが落ちる瞬間が、至福ですね。待つあいだ、楊枝ケースのカオナシと睨めっこ。どうやって楊枝を出すのだろう?手遊びしたりして。ポスターと同じく、小道具にもこだわりを感じます。
大重食堂のフリーのトッピング。もやしと生姜。ちなみにここは紅生姜ではありません。白生姜?
大重食堂のフリーのトッピング。大道のもやし。そして生姜。最高ですね。店内にはカップルが数組。ラーメン目当てにしては、女性が多い。やはり、健康的な印象があるからかな。
大重食堂のラーメンにご対面
数分で、着丼です。キクラゲ、ネギ、大きめの薄切りチャーシュー。煮玉子に海苔。魚介系醤油スープの香りが立ち昇ります。控えめなスープの量は、塩分やカロリーを計算してか?もう少しボリューム欲しい感じ。
大重食堂の麺は中細。バリカタを指定しました。麺自体は淡白な味わいです。
そして自慢のスープ。どこまでも透き通っています。香りも透き通り、かつ力強く鼻腔を刺激してくれます。
大重食堂のラーメン正式名称は「純ラーメン 7節」
7種類の魚介出汁をブレンドしたということでしょうか?確かに、味わいが深い。あっさりとしていても、とてもしっかりしています。これを一口で、成分を当てられたら、相当のツウですね。
よくかんで、ゆっくり最初の麺を味わいます。もちろん替え玉@150円投入!美味し!!もやし、しょうがを少し加えて味変も楽しみます。汁飲みきりです。ここまで無添加にこだわっていると、罪悪感は皆無です。ああ、もっと飲みたい。「替え玉」「替え肉」は聞いたことありますが。「替え汁」もやってほしいな。
それじゃ、2杯頼むとのいっしょか(笑)
大重食堂。美味いスープを飲み干すと・・・・
「あなたのおかげで今日がある」染みる言葉です。いやいや、ラーメンあっての、元気な私ですよ。
大重食堂。お持ち帰り商品もあるよ。
外売用の商品が売ってました。2食入りで1000円。迷わず買いです。オリジナルのトッピングが試せそう。鮎の塩焼き乗っけたら美味そうだな。鯖とかでもいいかも。これも、出汁パックでスープを一旦とり、液体スープを加えるダブル製法のようです。
賞味期限は「有ってないようなもの」と店員の兄ちゃんが教えてくれました。日持ちがするなら、安心です。自宅でサイフォンスープが味わえるとは、楽しみだな。時間のあるときに、じっくり調理しようっと。
大重食堂。なんと無料サービスのお土産も!!!
精算済ませると、出口のところで鰹節パックサービスで貰えます。ちょいと醤油垂らしてアツアツご飯にかけてよし、味噌汁に入れてよし。何にでも合います。テイクアウトも買ったので、気前よく2袋くれました。
【大重食堂】サイフォンのラーメン。アツイ風は、サイフォンから昇り立つ湯気だぜ
博多といえば、とんこつラーメンが定番です。しかし、大昔から朝鮮半島、中国大陸と向き合って時に戦乱の前線として、時に貿易の要として大きな役割を果たし、栄えてきた博多の街は、とても多用で懐の深い土地柄でもあります。7種の魚介ダシのこだわりスープも、しっかりと博多に根付いて行くことでしょう。2号店もできたらしいですよ。
店の片隅で微笑むマダムを横目に、店を出ました。そうだ、今度は夜じっくりと呑みに来て、シメにこのラーメンを頂くとするか。博多っ子の人情に触れつつ過ごす夜も、風情があって良いものだからねえ。
大重食堂 警固本店
店名 | 大重食堂 警固本店 |
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ジャンル | ラーメン、居酒屋 |
電話 | 092-741-0141 |
住所 | 福岡県福岡市中央区警固1-8-20 |
営業時間 | 12:00~23:30 |
交通手段 | 福岡市営地下鉄七隈線 薬院大通駅下車 徒歩約7分 西鉄バス 薬院2丁目バス停下車 徒歩約0分 西鉄バス51,52,56,57系統 薬院大通駅から308m |
合わせて読みたい安くて美味い名店
今回の特集、福岡にある「大重食堂 警固本店」以外にも名店をご紹介しています。ぜひご覧ください。
・「青葉」日本一のつけ麺
・屋台拉麺 一’S 幕張店の牛骨塩ラーメン
・銀座の名店。らーめん一郎
・「大勝軒」綾瀬店
・南新宿ラーメンヤスオ
・みそ部門3連覇の「大島」
・真鯛ラーメン麺魚@錦糸町
・ラーメン曳舟鶏味噌つけ麺
・博多一瑞亭。新宿御苑前の名店
・西船橋の名店麺屋あらき竈の番人
・有楽町の谷ラーメン
・府中分梅町ラーメンショップ
・田町の名店むらさき山